●消費者契約法と宅建業法・建設業法

消費者契約法と競合する事項については、宅地建物取引業法や建設業法などの個別法が優先して適用されます。(消費者契約法第11条2項)

具体例

宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の契約の解除に伴う損害賠償の予定額を売買代金の20パーセントと定めることも原則として有効です。 消費者契約法第9条では、損害賠償額の予定又は違約金について、その金額を定めることなく、同種の契約で事業者に生じる平均的な損害額を超える場合、その平均的損害額を超える部分を無効としています。 売買代金の20パーセントの損害賠償額の予定又は違約金といえば、平均的損害額を超えることが多く、仮に消費者契約法を適用すれば、平均的損害額を超える部分について無効となります。 しかし、宅地建物取引業法第38条は、宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額の予定又は違約金を定める場合、売買代金の20パーセントまでは有効である旨規定しています。 したがって、上記の事例においても、原則として、当事者の契約の解除に伴う損害賠償の予定額を売買代金の20パーセントと定めることも有効となります。

2019年01月29日