なぜ個人情報保護か
- 現在の技術では、大量の個人情報の集積、複製、外部持ち出しが極めて容易になっています。
- 個人情報管理が万全でない会社は、今後は優良企業から相手にされなくなります。
- 個人情報は多量に流出した場合、膨大な数の個人から訴えられる可能性があります。そのリスクに御社は耐えられません。
最近の主な情報流出事例
- 宇治市住民基本台帳データ不正漏洩事件(最判平14.7.11)
本件は,宇治市が住民基本台帳のデータを利用して乳幼児検診システムを開発することを企画し,その開発業務を民間業者に委託したところ,再々委託先のアルバイト従業員が前記住民基本台帳データを不正にコピーして名簿業者に販売し,その名簿業者がさらにデータを他に転売したため3人の住民がデータ流出により精神的損害を被ったとして損害賠償を請求したケース。(本件住民基本台帳には,住民記録18万5,800件,外国人登録関係3,297件,法人関係2万8,520件,合計21万7,617件の情報が記録されていた。)
裁判所は、氏名,年齢,性別,住所および各世帯主と家族構成等の情報はプライバシーに属する情報であり権利として保護され,本件データの流出により権利侵害が生じたとして,慰謝料1人当たり1万円および弁護士費用1人当たり5,000円,3人合計で4万5,000円の賠償。
- 早稲田大学、講演会参加者名簿事件(最判平15.9.12)
本件は,早稲田大学が1998年に中国の江沢民国家主席(当時)の講演会を開いた際に,警察から参加者名簿の提出を要請され,同大学が要請に応じ参加者名簿(約1,400人分)を警視庁に提出したことがプライバシー侵害だとして,元学生らから提訴されたケース
裁判所は、本人の同意に基づかずにみだりに他者に開示することはゆるされないとして、同意を得る手続を執ることなく無断で本件個人情報を開示した大学の行為は、プライバシーを侵害する不法行為であるとし、1人当たり1万円の損害賠償を認めた。(参加者名簿掲載者人数は約1,400人である。)
- 大手エステサロンの個人情報漏洩
大手エステサロンのWEBサイトから5万人分の個人情報がネット上に漏洩し被害者に具体的被害が生じたとして,2002年12月19日に,男女10人が東京地裁に総額1,150万円の損害賠償請求を提訴した。
- ローソンパスの会員情報漏洩
2003年6月9日にローソンパス会員約56万人の顧客情報の漏洩が会員からの問合せで発覚した。
この件について,ローソンは会員約115万人全員に500円の商品券を送付した。
商品券代だけで115万人×500円=5億7,500万円になる。
- ファミマ・クラブ会員情報漏洩
ファミリーマートのファミマ・クラブ会員情報の漏洩が2003年8月21日に会員からの問合せで発覚した。本件では,最大18万2,780名分の個人情報が漏洩し,債権回収業者を名乗る者が架空請求を行った。
この件についてファミリーマートは,18万2,780名の会員に1,000円相当のクオカードを送付し,別途2003年11月19日現在のファミマ・クラブの会員全員にファミマ・ポイント100ポイントを付与した。
クオカード代だけで,18万2,780人×1,000円=1億8,278万円になる。
- ソフトバンクBB情報流出事件
500円の金券×451万7039人=22億5851万9500円
- 三洋信販顧客情報流出事件
平成16年1月、全顧客情報200万件が流出した可能性 判明しただけで266件が不正請求の被害に遭う。
被害金額合計9282万円。
- コスモ石油情報流出事件
平成16年6月 約92万人
情報漏洩に絡む刑罰法規
- 背任罪(刑法247条)
- 特別背任罪(商法486条〜488条)
- 窃盗罪(刑法235条)
- 横領罪(刑法252条〜253条)
- 不正競争防止法(2条) 平成16年1月1日施行
- 個人情報保護法(56条〜58条) 平成17年4月1日全面施行
(監督機関に対する報告義務違反、中止改善命令違反の場合罰則規定あり。)
不正競争防止法上(2条)の営業秘密の不正利用行為
- 「営業秘密の不正利用行為」とは
- 窃取・詐欺等の不正な手段により,保有者から営業秘密を取得する行為および不正取得後に使用または開示する行為
- Aの不正取得行為の介在について悪意・重過失である者が営業秘密を取得する行為および取得後に使用または開示する行為
- 営業秘密を取得した時点では不正取得行為が介在していることにつき善意・無重過失であった者が,その後悪意・重過失に転じた後,その営業秘密を使用または開示する行為
- 保有者から営業秘密の開示を受けた者が,不正の競業その他の不正の利益を得る目的または保有者に損害を加える目的をもって当該営業秘密を使用または開示する行為
- 営業秘密を取得する際に,Dの不正開示行為(守秘義務違反を含む),またはそのような不正開示行為が介在したことについて悪意・重過失で営業秘密を取得する行為,その取得した営業秘密を使用または開示する行為
- 第三者が,営業秘密を取得した後に,その取得が不正開示行為によるものであったこともしくは不正開示行為が介在したことについて悪意・重過失で,その営業秘密を使用または開示する行為
- 営業秘密の不正利用行為に対する処置
差止請求
営業秘密の不正利用行為に対しては,営業上の利益を害される者がその差止めを請求することができる(3条1項)。
(例) 営業秘密を含む書類やフロッピー等,営業秘密であるノウハウを用いて製造された製品等,当該ノウハウを実現するための製造機械等の廃棄等
損害賠償請求
故意または過失による営業秘密不正利用行為により営業上の利益を侵害された者は,生じた損害の賠償を請求することができる(4条)。
その他
営業秘密不正利用行為により営業上の信用が害された場合には,信用回復措置として,新聞等への謝罪広告等が認められている(7条)。
不正競争防止法上の処罰規定 3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
- 営業秘密を不正取得した後,これを不正の競争の目的で使用し,または開示する罪(14条1項3号)
- 1の使用または開示の用に供する目的で,営業秘密が記録された媒体を取得し,または複製することにより,その営業秘密を不正に取得する罪(同項4号)
- 営業秘密を示された者が,不正の競争の目的で,その営業秘密が記録された媒体を不正に領得し,または複製して,その営業秘密を使用し,または開示する罪(同項5号)
- 営業秘密を示された役員または従業者が,これを不正の競争の目的で使用し,または開示する罪(同項6号)
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